三郎丸でござる
三日月お月さまが、お山のてっぺんに来た頃でした…
薄茶色の短く太いしっぽだけが見えている
誰だ、そこにいるのは!
・・・・
おいらの事ですかい?
おいらは、おいらは…、三郎丸でござる
車の下から出てきたのは、傷だらけの醜い顔をした猫でした
どうした、その顔は?
へぇ、おいら、喧嘩が好きでね~、たまにやっちゃうんですよ
お前、野良の面構えだが、えらく太っているじゃねぇか、
飯付きの宿でもあるんかね?
ぶさかわ猫は頷いたのか、どうだか分からぬ態度でゆっくりとその場を去った
白猫をいじめるでないぞ~
にゃ~・・・・
『よだかの星』を思い出した